2010年度 事業方針
社団法人さぬき青年会議所
第13代理事長予定者 景山篤弘
基本理念
Make it happen!
やってやろうじゃないか!
基本方針
1.中期ビジョン及び公益法人制度改革への対応
2.新規公益事業の継続化並びに公益事業の実施
3.新入会員の獲得
4.香川ブロック会員大会の主管
5.日本JC・地区・ブロックへの提言並びに出向者支援
●はじめに 〜我々を取り巻く現状〜
青春を謳歌し、瀬戸大橋の開通を控えたあのバブル前夜、我々は当然のように中讃地域が右肩上がりに繁栄することを期待したものである。しかし現在、他の地方同様にこの地域は、バブル経済破綻の後遺症と一昨秋来の世界同時不況から立ち直ることができずもがき苦しんでいるのが現状ではないだろうか。そのような中、多くの不安を抱きながらも、我々はひたむきに歩みながら日々家庭に、仕事に、そして青年会議所活動に勤しんでいる。
●胸を張ろうじゃないか
昨今、メディアからTV等の媒体を通じて発信される情報は、目を覆いたくなるようなものばかりである。とりわけ、政界汚職や食の偽装問題に代表される、スキャンダラスな話題には日々事欠かない。そんな現在だから、どうしても周囲からの視線や声に神経質にならざるを得ない。だが私は、我々は何も臆することはない、堂々と胸を張ろうじゃないか、と声高らかに叫びたい。
我々は、明るい豊かな社会の実現を目指す、まちづくりを通じてのひとづくりを目指す公益法人であり、それに恥じない組織運営をこの中讃地域で実施してきた。また社団法人としても、運営面でも非常に精度の高い運営を実施してきた。これらの紛れもない事実を決して見逃してはならない。
周囲からの声に耳を傾け、時には応える必要もあるだろう。しかし、それを意識し過ぎするあまり、我々の活動の本質を見失って偉大な諸先輩が築き上げた功績までをも蔑ろにしたのでは元も子もない。諸先輩に敬意を払いつつ、その時代に見合う形に組織進化させれば良いのである。もう一度言おう、我々は何も臆することはない、堂々と胸を張ろうじゃないか。
●大人の背中を見せようじゃないか
我々を取り巻くこの中讃地域の現状も他の地方の例に漏れず、非常に厳しい経済状況が続いている。確かに我が国は高度成長期を経て、物質的に豊かな生活を得ることができた。しかし、果たして精神的にはどうなのかというと、甚だ疑問である。とりわけ、これから地域を背負って立つ若者や子供達を取り巻く環境について、教育現場の荒廃や凶悪事件の発生が後を絶たない現状を、我々はどう考えれば良いのであろうか。
このような現状に対し、我々がこれまで以上にひたむきに歩み、その背中を見せることの方が、何をすべきかわからず頭を抱えて悩むよりも、余程良いのではないかと考える。この時代、誰もが将来に対して不安を抱きながら生きている。だからこそ、ひたむきにそして懸命に歩みながら日々家庭に、仕事に、そして青年会議所活動に勤しむ大人の背中を見せることは、それ自身が若者に、ひいては社会に対する生き方の規範となるはずである。それこそ、今後もこの地域で堂々と胸を張ることができる団体としてふさわしい姿である。今こそ、我々から大人の背中を我々から見せようじゃないか。
●公益法人制度改革への対応
昨今話題の公益法人制度改革への対応では、我々も他の例に漏れず財務体質の健全化とコンプライアンスの遵守などといった公益法人として精度の高い運営が求められている。しかし、この対応が目的ではなく、あくまでも手段であることを忘れてはならない。これを良い機会と捉え、我々のまちづくり事業を見直してみてはどうだろうか。公益事業である既存のまちづくり事業については、行政や他団体との協働はもちろん、全国規模の大会誘致といった、同じ青年会議所の有効な機能の活用を検討しても良いだろう。行政との協力関係が築かれ、事業がより多くの地域の方々にとって必要とされるだけではなく、我々メンバー一人ひとりのレベルアップに繋がると私は確信している。
本制度改革にはタイムリミットがあることは周知の事実である。そこで2010年度は、対応つまり申請について目途をつけ、将来に繋がる形を示そうじゃないか。
●中期ビジョンの推進
ここ数年、我々は今後5年間、いわゆる中期ビジョンの策定に努力してきた。これは素晴らしいことであり、歴代理事長の皆様をはじめ諸先輩及びメンバー諸兄に敬意を払うと同時に、今後もこれらを力強く推進させる必要がある。とりわけ、2009年度は見直しだけではなく、様々な新規事業の立ち上げが行われた。これについては青年会議所活動の欠点と言われて久しい、「単年度制の弊害」となることは避けなければならない。そのためにも修正すべき点は謙虚に修正し、今後の継続事業として実施したいものである。
そして、ひとづくりの団体として必要なのは、お互いに切磋琢磨し合える仲間である。その意味では、他団体との協働について、これまで以上に推進し様々な事業に取り組んでいきたい。また、同じJC内ではブロック・地区はもちろん、それ以外にも強力なパートナーシップを築くことが重要である。そこで、2009年度より研究が開始された姉妹LOMの締結についても、前向きに論じていきたい。
また、四国地区内でのパイオニアとも言うべき市長・町長選挙に伴うマニフェスト型公開討論会については、2010年度は我々の活動エリアで最大3箇所の選挙が行われる公算であり、その対応については理事長の私が中心となって検討したい。
上記いずれも、我々の今後を占う上でも非常に大切な事項である。これらについて、メンバー全員が力を合わせて積極的に取り組んでいこうじゃないか。
●会員拡大の必要性
私個人の話で大変恐縮だが、地域の有望な青年をなかなか入会に導くことができずにいる現実がある。これは単に自分自身の力不足だが、去年あたりからその理由が少しずつ変化していることを肌身で感じる。これまでは、「JCは活動内容がしんどいから」「今は仕事が忙しいから」といった時間的・精神的なものが要因であったが、最近では「年会費が高いから」といった経済的なものへと変化しているのである。だからと言って、LOM予算がひっ迫する現在、会費の値下げなどは極めて難しい。それ故、青年会議所活動とは何なのか、その年会費以上の価値を伝え、ひたすらに説得する必要性に迫られているのである。
人生において20代や30代という時期は未だ立派な青年経済人とは言えないかも知れない。会社と家との往復だけでは、社会人として一番大切な人間関係を学ぶことはできず、結果として豊かな40代を迎えることは難しいのではなかろうか。こう言えばわかり易いだろうが、さぬきJCがなければ今の私はいないと断言する。何故ならば経済人の、いや、社会人の何たるかを私はこの組織を通じて学ばせて頂いた。過去に、先輩やメンバー諸兄に自身の未熟さ故に、幾度となく本気で叱られたものである。当時は生意気にも口答えをし、時には卑怯にも虚言で言い逃れをしたものだ。しかし、現在では自分なりに猛省し、今後の人生の糧にせねばと感謝と反省の気持ちでいっぱいである。即ち、私にとってJCはまさに大人の学校であり、何物にもかけがえのない存在なのである。
つまり、人は人によってしか磨かれない、試行錯誤してプロセスを経験することができ、互いに高め合い友情の絆を築くことができる修練の場が青年会議所なのだ。それがまちづくり通じてのひとづくりを実践する団体と言われる所以であり、だからこそ年会費以上の価値があると断言できるのである。そのことを我々は言霊を以って伝え、ひたすら説得し、一人でも多くの新入会員を獲得しようじゃないか。
●ガバナンスの強化の名の下に
2009年度、私はさぬきJCから香川ブロック協議会会長として輩出していただいた。まずは皆様から厚い御支援を賜ったことに感謝し、その経験をLOM運営に反映させなければならないと考えている。つまり、ブロック・地区協議会をはじめとする日本JCへの出向は、LOMの皆様からの支援が無いとまず成立し得ないし、出向者は恩返しとしてその経験をLOM運営に反映させてこそ、初めて意義を達成するのではないだろうか。
私はこの一年間、ガバナンスの強化という言葉を何度耳にしたことだろう。聞き慣れない言葉だが、これは日本JCと地区協議会、そしてブロック協議会との連携の強化を意味する。しかし、これはあまりにも過ぎると大きな危険性があるのではないかと考える。日本JCには国を動かすことの他に、各LOM支援といった担いがあり、我々はLOM益に繋がる運営を期待している。そして地区・ブロック協議会には各構成LOMの現状に合わせた独自の担いがあるはずだ。だから、ガバナンスの強化の名の下に、LOM運営のため以上に日本JCのための運営に偏るのであれば、私は声を大にして異議を唱えたい。
私はただ単に、日本JCの現状について短所だけを捉え、上げ足を取るかのように非難をしているのではない。日本JCにはあれほど巨大な組織を運営する手法が確立されており、それらを出向者から通じて学ぶことがLOM益に繋がることは言うまでもない。我々としては、そういった部分については積極的に導入を検討したい。
また、2010年度、我々はブロック会員大会を主管する機会に恵まれた。この機会に、日本JC・地区協議会・ブロック協議会の為すべきことを理解し、LOMを挙げて出向者を支援し、出向者が恩返しとしてその経験をLOM運営に反映させる関係をこれまで以上に築いていこう。そして、香川ブロック協議会の基本方針に則りつつ、さぬきJCらしさをふんだんに盛り込んだブロック会員大会を開催しようじゃないか。
●さあ、やってやろうじゃないか!
私は(社)さぬき青年会議所設立後に入会した初の理事長だからこそ、諸先輩の敬意を払いつつ一層の組織進化を目指そうと考えている。論ずることに終わるのではなく、様々な事業について、委員会・役員会・理事会といった過程をこれまで同様に大切にし、具体性をもって遂行し、その目的の達成を目指していきたい。
そして、この奉仕から我々の修練ははじまり、そこで友情の絆が生れる、その可能性に満ち溢れた場所こそが青年会議所なのだから。さあ、論ずる前にここは一つ、皆で力を合わせて、「やってやろうじゃないか!」